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64回生 卒業証書授与式

行事

令和7年2月19日(水)、本校体育館にて、64回生卒業証書授与式を挙行しました。

○当日の様子

先週より続いた寒波の影響で、

この日の市川高校は朝から雪化粧を纏った

幻想的な雰囲気を醸し出していました。

○卒業生入場

来賓・保護者・在校生・教職員でいっぱいになった体育館に

3年生(64回生)が卒業記念のコサージュを胸に

堂々と入場してきました。

○開式前の静慮

生徒も教職員も、「静慮」によって落ち着いたこころで式に臨みます。

○卒業証書授与

担任教諭によって一人ひとり、

卒業生148名の名前が読み上げられました。

代表生徒が登壇し、学校長より卒業証書が授与されました。

○表彰状授与

私学連合会長賞・妙心寺管長賞・兵庫県私学理事長賞を

それぞれの受賞生徒に授与しました。

また、前日行われた表彰式にて

体育賞・文化賞・技能賞・善行賞・

篤行賞・学力賞・功績賞・努力賞・

3ヶ年皆勤・3ヶ年精勤の表彰を行ったことを

この場をお借りしてご報告させていただきました。

○学校長式辞

第六十四回生、百四十八名の皆さんに、

卒業証書を授与いたしました。誠におめでとうございます。

学級担任の読み上げに、凛とした返事で応えてくれる

一人一人の姿に、成長の証を感じました。

振り返ると、中学時代からコロナ禍を経験した皆さんは、

大きな不安を抱きながらの高校入学だったと思います。

全員がマスクを着用する中での入学式、

その後も様々な制限や制約がある中で、

高校生活がスタートしました。

みなさんは、本校の新しいコース制の第一期生として

入学の日から、今日に至るまで、

新しいカリキュラムであるアドバンスコース、

キャリアコースでの学びとなりました。

あきらめそうになった日も、

くじけそうになった日も あったことでしょう。

それぞれが、それぞれの歩幅で歩んだ三年間となりました。

それぞれの三年間には、人生の進路を決めていくには、

難しい状況が幾つもあったことだと思います。

しかし、みなさんは最後までやり抜きました。

これまでのみなさんの努力に対して、

深い敬意を表します。

さて、校門の掲示板に書かせて頂いている句を紹介いたします。

「 生涯の 友 一人得て 卒業す 」

浅野右橘(ゆうきつ)という方の俳句です。

市川高校で一生涯の友人ができたと断言できる人も、

そう断言できない人もいるでしょう。

一生涯の友人ができた人も、そうでない人も、

自分の中にいるもう一人の自分が、

実は、一生涯の友人でもあります。

自分の中にいる もう一人の自分、

このことを学んだのが本校の「坐禅」の授業でした。

自分の中にいる もう一人の自分とは、何か。

この問いが、坐禅の自己探求の課題として、

みなさんに与えられました。

自分の中にいる もう一人の自分。

そもそも、自分を知るためには、

これまで生きてきた「自分」のことを振り返らなければなりません。

これまでに出会った人たち、これまでに経験してきたこと、

これまでに学んできたこと、これまでの出来事を振り返ることで、

今の自分の存在が明らかになります。

自分自身のことが明らかになると、日々の生活の中で、

時に喜んだり、泣いたりしている「自分」と

またその一方で、静かにわれを見つめる「自分」がいることに

気づくことができます。

坐禅の授業で、皆さんは、人は生まれながらにしてもう一人の

「静かに我を見つめる自分」がいるということを学びました。

静かに我を見つめる自分とういうは

「仏の心」を持っている自分です。

自分の中に、もうひとりの

仏の心を持った自分がいるということです。

そして「仏の心」を持っている自分と向き合う時間が、

本校の「坐禅」の時間であり、

授業ごとに行ってきた「静慮」の時間であったということです。

世界を舞台に活躍している野球選手、大谷翔平選手も

「自分と向き合う時間」を大切にしています。

高校時代から「目標達成シート」で、夢と目標を見える化し、

練習ノートで振り返りました。そしてトレーニングでは

静かに黙々と基本練習をこなして、

ひとり、自分を鍛えていきました。

今でも、自主トレでは徹底的に自分のペースで練習を行い、

腕の上げ方はどうか、体の回転はこれでいいのか、

一つ一つの動作を確かめながら、咀嚼(そしゃく)しながら、

自らに問い掛けて練習をしているということです。

スポーツに限らず、人が強くなる方法のひとつは、

孤独に自分と向き合うことです。

一人はつらい。

つらいですが、一人の時間をつくり自分の弱さを

見つめ直すのは大事なことです。

「楽をしようとする自分」を追い出し、

「そんなんじゃだめだ」という本当の自分を鍛えていく。

独りで考え、独りで答えを出すことでしか得られないもの、

それをみなさんは市川高校の「坐禅」の授業で学びました。

イチロー選手は次のように言います。

 「自分はいま、ここにいる。

  でも、自分の斜め上には、もう一人の自分がいて、

  その目で自分がしっかりと地に足がついているかどうか、

  ちゃんと見ていなければならない」

イチロー選手は、最高の自分を作り出すには、

もう一人の自分の目で、自分を見ることだ」としています。

これから、皆さんが新しい場所で悩み、苦しみ、

辛い時が来たとしても、自分の中にいるもう一人の自分が、

支えてくれます。励ましてくれます。

未来を明るくしてくれます。

自分の中にいる、静かに我を見つめる自分という存在が、

自分の中にちゃんといるということを知っているだけで、

校訓にある、「円満な人格の完成」に導いてくれます。

このことを、みなさんは市川高校で学びました。

市川高校は、未来に向けた人間力を育む場所です。

この場所で共に過ごした日々を、出会いを、

みなさん一人ひとりの宝物として、

大切に胸に抱いて母校を巣立っていってください。

みなさんが卒業されても、この学び舎はずっとここにあります。

多くの卒業生が母校を訪れているように、

みなさんも母校へ「ただいま」と言って、

帰ってきてください。つらい時、悲しいとき、

苦しいときはもちろん、人生の節目などには、

いつでも様子を伝えにきてください。

本校の教職員は、卒業してもずっと

みなさんの未来を応援しています。

卒業生のみなさん全員が、

これまで以上に自分を大切にして、

そして幸せな人生を歩まれることを心からお祈りして、

式辞といたします。

○理事長戒辞

校訓に曰く、

私たちは 崇高な精神を養い

健康な身体を鍛え

互いに敬い 互いに愛し

円満な人格を完成します

「崇高な精神」とは、何か

「円満な人格」とは、何か

この3か年、週1時間づつ、坐禅をしていただきました。

私という存在の奥深くに、

何とも言えん、うれしい、有難い、申し訳ない、

ええ奴がちゃんといる。

そのことをきちんと自覚し、

日々、精進できるお互いでありたいと思います。

明日から新しい生活がはじまります。

「よし!」と覚悟を決めて、

力いっぱいの努力をしてください。

人生には、嬉しいことも辛いことも沢山ありますが

これだけは言える。

苦労しない事には、涙を流さない事には、

本当に大事なことはわからない。

しっかり努力をして、

本当に大事なことがちゃんとわかる一人ひとりであるように、

安心できる・信頼できる一人ひとりであるように、

それぞれの立場で、それぞれの今を、

しっかり頑張りましょう。

その覚悟を持って、今日の日の戒辞といたします。

○来賓紹介・来賓祝辞

ご参列いただいた来賓の皆様をご紹介し、

本校同窓会(真人会)会長、藤本肇 様より

ご祝辞を頂戴しました。

○在校生送辞

生徒会長が登壇し、3年生と過ごした2年間を振り返りました。

学校行事で常に自分たちをリードし、

先を歩いてくださった先輩方、

世界の情勢に目を向け、努力を惜しまず行動した先輩方に、

尊敬とともに、今後の更なるご活躍を願って、

送辞を贈りました。

○卒業生答辞

思えば私達はいつも

お互い助け合いながら挑戦をしてきました。

私たち3年生は、市川高校で挑戦する機会をいただき、

それぞれ成長することができました。

本日、私達は新しい人生に進みます。

常に感謝や尊敬の気持ちを忘れず

この学校で学んだことを生かして

前を向いて未来の道へ進んでいきます。

これまで私達を支えてくださったすべての方々に

改めて御礼を申し上げるとともに

市川高校のご発展を心より祈念して、答辞といたします。

卒業生の代表生徒が登壇し、

教職員、在校生、保護者、同級生、それぞれに宛てた

心のこもった答辞を述べました。

○卒業記念品贈呈

64回生より、卒業記念品として

 ①タペストリースクリーン

 ②自立式スクリーン

 ③バックパネル

以上3点を寄贈していただきました。

○(前日)記念品披露

また、前日の卒業式予行後に各クラスの代表生徒に対し

記念品を披露させていただき、

卒業式当日は食堂にてご紹介をさせていただきました。

ご寄贈いただいた記念品は末永く、大切に使用させていただきます。

○保護者代表謝辞

育友会を代表して、会長の中川様より

心のこもった謝辞をいただきました。

○校歌斉唱

卒業生も、在校生も、教職員も、

校歌の歌詞を噛みしめるように歌いました。

後ろの席に座った後輩達からの頼もしい歌声が、

卒業生の背中を押すように体育館に響いていました。

○卒業生退場

舞台の前に立つ3学年主任・担任に対し、

花束を渡し、感謝の言葉を述べて、64回生が退場していきました。

体育館が、会場にいる全員からのあたたかい拍手に包まれました。

○最後のホームルーム

教室に戻った生徒たちは、最後のホームルームに臨みました。

担任からの最後の言葉に、涙する生徒もいました。

それぞれに、「卒業」をかみしめて教室を後にしました。

○納経 (慈光観音像)

卒業式前日には、各クラス代表者によって納経を行いました。

これは、卒業生が般若心経を写経し、

最後に願い事を書いたものを納める伝統行事で、

中庭の慈光観音像の台座には、

歴代の卒業生の写経が納められています。

それぞれの願い事が成就するよう、

慈しみの光となって卒業生を静かに見守っています。

今年度も式の随所にプロジェクションマッピングを活用して演出を行い、

卒業生の晴れの舞台に花を添えました。

市川高校を選び、入学された皆さんが、

自分の将来をみつめ、進路を決めて

それぞれ次のステージに向かって巣立っていく姿に、

我々教職員も胸が熱くなりました。

64回生卒業証書授与式の挙行にあたり、

多くのご来賓・保護者の皆さまにご臨席を賜りました。

この場をお借りして感謝を申し上げますとともに、

卒業生の益々のご活躍を心より祈念いたします。