令和7年4月9日(水)、本校体育館にて、令和7年度 67回生 入学式を挙行しました。
○校門坂の桜
この日は朝から天気に恵まれ、
心地の良い小春日和となりました。
○新入生入場
67回生の皆さんが新しい制服に身を包み
体育館に入場してきました。
○入学許可
学校長を前に、
学級担任が129名の新入生一人ひとりの名前を読み上げました。
名前を呼ばれた生徒たちの元気な声が、
体育館に響き渡りました。
その後、学校長より67回生の入学が許可されました。
○学校長式辞
澄み渡る青空、咲き誇る満開の桜、
校舎へと続く坂道には、春の光が輝いている今日の佳き日に、
希望に満ちあふれた新入生129名を迎えることができ、
教職員一同、たいへん嬉しく思っております。
新入生のみなさん、ステージの右側にある
横額の三文字を見てください。
草書体という崩し字なので、読みにくいですが、
一番右側の文字は「知る」という漢字になります。
次が 「自分」の「自」、
三文字目が「おのれ」 「己(こ)」という漢字になります。
三文字合わせて、「知自己(自己を知る)」と書いてあります。
「自己を知る」 つまり
「自分とは何者なのかを理解すること」
「自分のことを外から見てみること」
「客観的に自分自身を観察すること」
いろいろ言い方はありますが、「自己を知る」ということは、
本校へ入学するにあたって皆さんに与えられた
とても重要な課題となります。
そして、この三文字の額の左側にある、
筆で書かれた達磨大師のご尊容をご覧ください。
まっすぐ正面を向いて、少し怖い険しいお顔に見えます。
これは、達磨大師が、くじけそうになる自分の心を見つめて、
苦しみに耐えているお姿であると言われています。
自分自身と厳しく向き合われた達磨大師も、
私たちのことを厳しく見つめてくれています。
現在、私たちの生活において、
インターネットで検索すれば、大抵の情報は
手に入れることができます。知りたいことがあれば、
すぐに調べることができる時代になっています。
しかし、そのような時代において、実は、
一番知らないこと、知っていなければならないのに
知らないこと、わかっていないこと、
それが、自分自身のことになります。
みなさんは、どれだけ自分のことを知っていますか。
自分のことを理解していますか。
新入生のみなさんは、お父さんとお母さんの間に生まれて、
今、日本という国で生きています。
ちゃんと計算して生まれてきた人は誰もいません。
ふと気が付いたら、どういう訳かこの世に生まれていました。
家族の方々に育てて頂いて、そして15年ほど経って、
今、市川高校の体育館で話を聞いています。
私というのは、いったい何者なのか、
何をするのが本当なのか。
これまで、何とも言い難い不思議なご縁で、
この世に命を授かって育てて頂き、
喜んだり、悲しんだり、泣いたり、笑ったりしながら、
生きてきました。これからも、そのようにして
生きていきます。そしてこれまでは、
「これせなあかん、あれせなあかん、」と、
せわしなく生きてきたかもしれません。
ここで一度立ち止まって、私とはいったい何者なのか。
どう生きるべきなのか。
ここで、静かに自己を見つめてほしいと思います。
これまで、みなさんは、嬉しいこともあったでしょう、
辛いこともあったでしょう。
それは、これからもまた起こります。
いや、これからは、これまで以上の
様々な出来事に遭遇するかもしれません。
そんな自分を、静かに座って、
今一度、見つめてほしいと思います。
そして、これからの自分の一生を嬉しいもの、
有り難いものにするため、 自分自身を通して、
「自分」をしっかり見つめてください。
お釈迦様は、おっしゃっておられます。
「みんな、誰もが仏さまの心を持っている」
みなさん、一人一人が尊い心を持っています。
その尊い心で、自分とは何者なのか。
私はどのように生きていくべきなのか。
このことを見つけていくための時間が、
本校での坐禅の時間となります。
静かに坐って、自分を見つめる時間、
それが本校で最も大切にしている時間となります。
誰もがもともと持っている「本当の自分」に出会う覚悟。
その覚悟を決めることが、
今日の入学式での最も大切なことになります。
本校には、「わたしが変われば世界が変わる」という
スクールモットーがあります。ひとりの力で、
世界が変わるはずなどないと考えるかもしれませんが、
そうではありません。
これまでの自分を、新しい自分に変えていくことができれば、
周りの世界の見え方が違ってきます。
自分で自分を変えていく素晴らしい力を、
一人ひとりがすでに持っていて、
きかっけさえあれば、自分を変えていくことができます。
自分が変わることで、世の中の見え方も
大きく変えることができます。
「わたしが変われば世界が変わる」
私たち教職員は、新入生にとってかけがえのない三年間を、
生徒一人ひとりが自分自身の手で
将来を切り開いていけるよう全力で応援していく覚悟です。
保護者の皆様におかれましても、本校の教育方針を十分に
ご理解いただき、なにとぞご支援とご協力を賜りますよう
よろしくお願いいたします。
新入生の皆さんが、夢と希望と熱意をもって
市川高校での高校生活を素晴らしいものにしてくれることを祈念し、
また、保護者と教職員が一体となって、
しっかりと皆さんを支えていくことを約束し、式辞といたします。
○新入生 誓いの言葉
新しい制服を身にまとい、私たちの胸の中は
高校生活への期待と喜びで満ちあふれています。
今日からは、市川高等学校の生徒として
家族や先生方、伝統と歴史を築いてこられた先輩方に
感謝する気持ちを忘れず、
恥じることのないように、
一つ一つの行動に責任を持って
勉学や部活動に精いっぱい励んでいきます。
登壇した代表生徒が力強く誓いの言葉を述べました。
○理事長戒辞
校訓に曰く、
わたくしたちは、崇高な精神を養い、
健康な身体を鍛え、
互いに敬い、互いに愛し、
円満な人格を完成します。
16・17・18歳という、
子どもから大人へ、少年から成年へと
成長していく一番大事な3カ年を、
よし!と覚悟を決めて、
立派な人として育ってくれるように、
それぞれがしっかりと覚悟を決めて、
今日がスタートです。
どうぞ、1度しかない自分の人生を、
「有難いな、もったいないな、申し訳ないな」と
ちゃんとわかる一人前の人として成長できるように、
覚悟をもって共に精進してまいりましょう。
戒辞といたします。
○来賓祝辞
市川高校20000名を超える卒業生が
皆さんのご入学を祝福しています。
市川高校で、一生の友人を見つけてください。
本校同窓会(真人会)会長、藤本様より、
あたたかい祝辞とエールをいただきました。
○在校生代表歓迎の言葉・対面式
生徒会長による歓迎の言葉の後、
生徒会役員と新入生代表生徒が登壇し、
声を掛け合って固く握手を交わす姿に、
会場は大きな拍手で包まれました。
129名の入学を祝うように、
校門坂のソメイヨシノ・体育館前の枝垂れ桜が共に満開となりました。
ここから67回生の高校生活が始まります。
それぞれが持つ目標に向かって、
市川高校で共に円満な人格を育んでいきましょう。
67回生入学式の挙行にあたり、
ご臨席いただきました同窓会長様をはじめ、
来賓・保護者の皆さまに対し、
心より厚く御礼申しあげます。