令和6年11月7日(木)から14日(木)までの1週間、3学年が坐禅錬成を行いました。
○錬成告報
11月7日(木)、体育館に集まった3学年に対し、
坐禅科より坐禅錬成の心得を伝える「告報」を行いました。
「喋らない」
「音をたてない」
「自分の事だけをする」
この3つの約束をもって、坐禅錬成がはじまりました。
週に1度の坐禅の授業とは別に、各クラスごとに1日ずつ、
6時間目と放課後の時間を使って坐禅に励みました。
○動もまた禅、坐もまた禅
錬成といってもずっと坐禅を組んでいるわけではなく、
聞く姿勢や歩く姿勢など、様々な所作を学びながら、
「自分の事だけ」に集中して坐ります。
○最終日
最終日となる11月14日(木)、3学年が再び体育館に集合しました。
○理事長先生のお話
大きくて、透明で、光り輝いている。
それはどんな宝石よりも美しい、私たちのこころです。
学校は知識を身につけるところ。
では知識を身につけた私は、何をしなければならないのか。
わずかな時間でも、静かに坐って
自己を見つめる時間のなんと大切なことか。
真剣に坐れば、必ずスッと気付くものがある。
坐禅錬成はその練習です。
本当に大切な坐禅は、
いつかどこかでひとり見つめるものです。
ありがたい、もったいない、何とも言えん良い奴が、
ちゃんと自分の中におる人になってください。
○学年主任のお話
校長先生から「坐禅を通して、自分を見つめ、
自分と向き合い、自分は何者なのかを考えてほしい」
というお話がありました。
「自分を見つめ、自分と向き合う」とは、
自分の行いを振り返ったり、自分の本心(本音)を考えること。
「自分は何者なのか」とは、
自分に何ができるのか、自分のするべきことは何なのか、
将来どんな人物になりたいかを考えること。
禅堂や体育館で坐ることだけが坐禅ではありません。
自分の行いを振り返ったその瞬間が、
坐禅を組んでいることになると思います。
授業中、皆さんがするべきことは授業をしっかり受けること。
休み時間は自分を振り返り自分の正直な気持ちと向き合う。
坐禅錬成の一週間は、常に自分のことを考えて過ごせたでしょうか。
皆さんには、坐禅錬成を通して常日頃から自分の行いを振り返り、
自分の進むべき道を進んで行ける人物をめざしてほしいと思います。
「自分を見つめ、自分と向き合い、自分は何者なのか考える」
この経験が、皆さんが社会に出て何か困難な壁にぶつかったときに、
その壁を乗り越える力となるはずです。
高校生活もあと約2か月間です。坐禅の授業のなかで
「自分を見つめ、自分と向き合い、自分は何者なのか」を
考える訓練をして卒業してください。
以上、坐禅錬成の総括とさせていただきます。
短い期間の中でも3学年の皆さんは真剣に坐禅に励み、
それぞれが自分自身と向き合おうと努力しました。
入学したばかりの頃は痛かった足も、
週に1度の坐禅の授業を繰り返すことで次第に慣れ、
整然と背筋を伸ばして坐れるようになりました。
正しい姿勢と正しい呼吸を身につければ、
心は自然と調(ととの)っていきます。
理事長先生のお話にある様に、
本当に大切なことは自分自身の中にあり、
それは、いつかどこかで、ひとり見つめるものです。
坐禅の授業や錬成での経験がその一助となり、
市川高校を巣立っていく皆さんが社会に貢献し、
世の中を支えていく立派な人になってくれることを願ってやみません。
坐禅錬成を終えた3学年は、清々しい表情で体育館を後にしました。