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市川高等学校のちょっといい話

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「静慮」のお話



本校では、多くの生徒が気持ちよく挨拶をしてくれますし、ルールとマナーをよく守り、学校行事にも協力的で、きちんとした気持ちと態度で取り組んでくれています。このような生徒諸君を誇りに思い、嬉しく感じます。

本校は今から54年前、先代理事長・多津猷保先生によって創立されました。その当初から市川高校の教育方針として、「禅仏教の教えを通じて人を思いやる心を磨き、地域社会に貢献できる人材の育成を目指す」という、その伝統を受け継いできました。

その教育方針を受けて、「私たちは崇高な精神を養い、健康な身体を鍛え、互いに敬い、互いに愛し、円満な人格を完成します。」という校訓が生まれました。

一般的に私立学校では、こういった教育方針を「建学の精神」といいます。

さて、本校では毎週1時間、坐禅の授業をしています。この坐禅の間は、全員が体を整え、呼吸を整え、心静かに、整然とした態度で授業に取り組んでいます。

しかし実は、坐禅を始める前から皆さんは既に心の準備をしています。

授業が始まる前に禅堂の前できちんと2列に並び、服装を整えて合掌し、静かに待機していますよね。

このように、授業に入る前から姿勢や服装を整えて静かに待つということは、非常に大切で価値があることだと思います。

これを他の授業にも活かすことができたら、それぞれの授業が坐禅の授業と同じように静かで落ち着きのあるものになると考え、「静慮」という取り組みをはじめたいと思います。

「静慮」という言葉には、「心静かに考える」又は、「落ち着いた心」という意味があります。授業開始時に、皆さんには坐禅の授業の時と同じように静かに合掌して、黙想をしてもらいます。

ここで皆さんに考えてほしいことがあります。

自分の好きな教科や部活動の時は一生懸命頑張るけれど、その他の教科や掃除の時間になると手を抜く。こういう人を見て、どう思いますか。

好きなことをやるときと同じ気持ちで、自分のやるべきことを一生懸命にできる人こそ、家族やクラスに貢献でき、将来的にも地域社会に貢献し、幸せな人生を送れると思います。

皆さんがそれを十分理解した上で、全員が坐禅の授業と同じように落ち着いた雰囲気で授業を受けられるように協力をしてください。

そしてそれを学校以外でも、登下校や家庭生活のあらゆる場面で活かし、坐禅の時と同じようなきちんとした態度で、ルールやマナーをよく守ってくれることを願っています。

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