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市川高等学校のちょっといい話

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ディズニーランドのおもてなし

 今日は、ディズニーランドのお話をします。東京ディズニーランドは、創業当初2~3年で潰れるのではないかと言われていました。しかし今ではリピーター率が90%を超え、どんどんお客さんが増えているそうです。なぜこんなに人気があると思いますか?単にアトラクションがあって、面白いだけではこれだけの人は集まりません。一番の理由は、従業員が自分の家にお客さんを招待する気持ちで接しているということです。ディズニーランドには、年間約5000通の手紙が届くそうです。その中の一つを紹介します。
 その手紙は、「東京ディズニーランドの皆様、夢と感動の世界をありがとうございました。」という言葉から始まります。差出人は、思い病気を持つ6歳の子どもの保護者からでした。お医者さんからは、「せっかく行っても、疲れて帰ってくるだけかもしれないよ。」と言われていましたし、子供は体力があまりなかったのですが、ディズニーランドに行くことをとても楽しみにしていたそうです。
 その出来事は2日目のパレードの時に起こりました。通り過ぎてしまいそうだったパレードの中から、出演しているキャストがわざわざ列を抜け出し、車椅子に座っている子どもの手を握って「よくいらっしゃいました」と笑顔で声をかけてくれたのです。保護者の方は、言い表せないほどの感動を覚え、「来てよかったね」と子どもに声をかけながら号泣してしまったことを手紙に書いておられました。
 たったこれだけのことです。人が感動するというのは、ちょっとした思いやりの気持ちを言葉や行動で伝えることで起こります。たとえば、生徒の皆さんが高齢者の方に電車で席を譲る行為ひとつをとっても、周囲の人に感動を与えているのです。
 そして、もう一つディズニーランドのすごいところは、働いている従業員の約9割がパートとアルバイトだということです。アルバイトのスタッフが、多くの人に夢や感動を与えているのです。ですから、皆さんもアルバイトや部活のなかでちょっとした思いやりの気持ちを言葉や行動で伝える心がけをしていると、人に感動を与えることができるかもしれません。さらに一歩踏み込んで考えてみると、毎日の生活の中で身近な人に対し、ちょっとした思いやりの気持ちを言葉や行動で伝える心がけをすると、家族や友達に感動を与えることができるかもしれません。
 本校でも先日こんなことがありました。部活動をしている生徒が、夕方帰る時間になって定期券を紛失したことに気付き、探しても見つかりませんでした。次の日、野球部員がその定期券を拾っていてくれて、本人に届けてくれました。こういうことができる生徒がいる事を、大変嬉しく思います。

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