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「校長室からのちょっといい話」朝礼NO.1 2012/08/08

皆さん、こんにちは。市川高校校長の石田です。本校の朝礼でお話しした中で「ええ話やな~」と思ってもらえるような内容を皆様にお伝えします。私の皆様に対する最終的な願いは一つです。それは、皆様に幸せな人生を歩んでほしいという事です。
(朝礼NO.1)
今、3年生の人は、就職と進学の試験に取り組んでいます。ただ、合格さえすれば一生幸せに生きていけるでしょうか。大切なのは、合格した後です。皆さんがそれぞれの進路先で、周りの人から信頼され必要とされ「あの人とだったら一緒に働きたい、勉強したい」と思ってもらえるような人になる事、それが皆さんの幸せだと思います。今日は、2人のお話をします。
まず、1人目は吉田松陰(よしだしょういん)という人です。この人は江戸時代後期の教育者です。今の山口県の「萩」という所で松下村塾(しょうかそんじゅく)という学校を開き、たった1年1ヵ月の間で79名の若者を教えました。後にその生徒の中から明治維新の初代総理大臣伊藤博文、2代目総理大臣山形有朋が出ました。さらに10名以上の大臣も出ました。生徒達は別に優秀な人を集めたわけではありません。そこには農民、商人、武士の子供がそれぞれいました。たった1年1ヵ月教えただけですが、吉田先生は、「自分は何の為に生れてきたのか。」、「自分の生まれてきた役割は何か。」と生徒に問いました。その事に対しこんな質問をする生徒がいました。「吉田先生、生まれてきた役割は何かと言われても私には分かりません。どうすればいいのですか?」これに対し吉田先生は「日常生活の中でやらなければならない事を真剣に心を込めてやりなさい。朝起きたら挨拶をきちんとする、人の話をしっかり聞く、掃除や家の手伝いなど絶対に手を抜かないで、とにかく真剣にやりなさい。そうしたらいつか自分の役割が必ずわかる。」と言ったそうです。つまり、勉強だけではなく日常生活のやるべき事をどれだけやっているか。それが大切だと教えたそうです。
2人目はフランス料理の第一人者と言われた三國清三(みくにきよみ)という人です。三國さんは昭和29年に生まれ、札幌グランドホテルの料理人になり、数年働いただけでそこの花形シェフになりますが、そこに満足することなく目標を高く持ち、日本の頂点を目指し東京に行きました。行った先は日本一の帝国ホテルです。その時の総料理長は村上信夫という人で、フランス料理を作らせたら日本一と言われた人物です。三國さんは当時18歳で最初の日にその村上さんから「鍋でも洗ってもらおうか。」と言われます。三國さんにしてみれば、自分は札幌グランドホテルの人気シェフだったというプライドから「むかっ」としたそうです。しかし、三國さんはすぐに気持ちを切り替えて、「それなら私の鍋洗いを見せてやろう」と思い、磨き上げました。そして翌朝その鍋を調理台の上に並べて置きました。村上さんはそれを見て三國さんに「きれいに洗えたね。」と一言だけでした。三國さんが「今日は何をさせてもらいましょうか。」 と聞いた所、また「そうだなぁ、鍋でも洗ってもらおうか」と言いました。そして、このあと三國さんは2年間ずっと鍋洗いをやらされましたが、三國さんがすごかったのはこの鍋洗いを絶対に手を抜くようなことはしなかったんです。「やれと言われるのなら俺の鍋洗いを見せてやる。」と来る日も来る日も鍋をピカピカに磨き続けました。しかし、2年間もしているとこのままここにいても料理の腕は上がらないと思い、村上さんの所へ行って「やめさせて下さい。」と言おうかと思っていたら、逆に村上さんに呼ばれ、「明日からスイスの日本大使館で料理長をやってもらう」と言われました。日本大使館の料理長と言えば各国の首相、大臣が訪れ夕食会でもてなす大切な役目です。それを2年間鍋洗いばかりしていた20歳の三國さんに決めたので、周りの人は猛反対したそうです。当時、帝国ホテルには料理人が600人もいたそうです。その時村上さんは「鍋洗い一つ見れば、その人の人格がわかる。技術は人格の上に成り立つものだから、三國君だったら間違いない。」と言いきったそうです。村上さんにそれだけのことを言わせる、真剣な鍋洗いだったわけです。このようなことから、普段やらなければいけないことを徹底的に心を込めて真剣にやれば、こういう事につながります。この三國さんはのちに修行を重ね、世界で5本の指に入るフランス料理のシェフとして認められました。皆さんにはここで気が付いてほしいのです。普段やらなければならない勉強、挨拶、掃除、服装をきちんとするというような事を真剣に取り組んでいれば、今3年生が取り組んでいる就職と進学の試験では、必ず評価されます。つまり自分の進路が決まり、生まれてきた役割もわかってきます。皆さんには、こういう話しも参考にして日常生活を送ってほしいと思います。
いかがですか?こういう話を読むとつくづく日常生活における姿勢(気持ち)が大切でその気持ちになれば自身の改善できるところはいくらでもあると感じます。
自分が生まれてきた役割を知り努力することが幸せな人々と言えるかもしれませんね。

参考文献・・・「私が一番受けたいココロの授業」(比日井和孝、比日井美恵)ごま書房新社
                           市川高等学校 校長 石田 俊平